過去実施プロジェクトの概要・成果

現在までの実施回

◆第1弾(2013年8月~9月/第3回現地渡航活動時)

◆第2弾(2014年3月/第4回現地渡航活動時)

◆第3弾(2014年9月/第5回現地渡航活動時)

◆第4弾(2015年3月/第6回現地渡航活動時)

◆第5弾(2015年8月〜9月/第7回現地渡航活動時)

◆第5弾part2(2016年3月/第8回現地渡航活動実施時)

~プロジェクト第1弾~

(第3回現地渡航活動時 2013/8/14~9/9)

Movement with Gangsters初実施となった第1弾は、ギャングの社会復帰を進めるに当たり不可欠な「ギャングを受け入れる側の社会」の成熟を目指しました。「将来的にギャングを受け入れる社会」になり得る当該地域のユースを対象に、彼らをギャングを受け入れる側の社会の一員にすべく、社会課題に対する正当な理解と当事者意識の醸成を目的として実施しました。


6日間のワークショップとその後のアクティビティに参加したのは、イスリー地区在住のソマリア人ユース22名。該当地社会が抱える6つの課題(DV、ドラッグ、教育、雇用、セキュリティ、文化)の議論を通じ、どうすればユースギャングを社会復帰させることができるのか、彼らを受け入れるためには何が必要なのかを真剣に議論しました。基調講演やゲストには、該当地域の治安チーフ、ナイロビ大学教授2名、ギャングに対して活動している現地NGOなどを招聘致しました。また、このプロジェクトは「Somali National TV」という現地TV局に連日取材され、報道されました。


ユースギャングに関しては、第1弾ということで、今回はプロジェクトに参加させるのではなく挨拶や交流という形をとりました。

 

1弾において得られた成果としては、

当該地区における治安問題の解決には、現地のユース団体や多くの機関と提携しより多くの人々を巻き込んで包括的に活動する必要があるという認識を団体内に得られたこと。加えて、参加者との、また参加者同士での対話や議論を経ることで、個々の参加者にテーマに関する高い当事者意識を生むことが出来るという事実を確認したこと。

自らが所属する社会の抱える課題に対し高い当事者意識を有する現地ユースとの関係を構築することが出来、受け入れ社会の成熟の可能性を認識できたこと。

③私達は実際にユースギャングと対面し安全面を考慮しつつもコミュニケーションがとれるということ。

 

以上3点が挙げられます。

 

~プロジェクト第2弾~

(第4回現地渡航活動時 2014/3/13~26)


第2弾は、第1弾を通して得られた「議論を通じた意識改革の可能性」、と「ギャングとの対話の必要性」を踏まえ現地ユースギャングたちとの直接的な対話をメインにプロジェクトを実施しました。

ギャングからの脱却に向け、社会の変革を待つのではなく、当事者である彼ら自身が主体的に取り組みを始めるよう包括的な改革をすることを目指しました。

 

全2日間のワークショップとその後のアクティビティに参加したのは、イスリー地区在住の実際のユースギャング8名。社会から排除され、社会に対し不満を募らせている彼らに対し、同じ”ユース”という立場から綿密な議論を交わす中で、なぜギャングを辞めることができないのか、どうすればギャングを辞めることができるのか、現状を変えるために自分から・また私たちから取れる手段はないのかを真剣に議論しました。

 

2弾において得られた成果としては、

”ギャング”とはいえ、同じ”ユース”という立場を生かせば理性的討論空間を創り上げることは可能であるという確信が得られたこと。並びに、彼らギャングが我々に対し心を許し、社会復帰へ好意的な姿勢を見せたこと。

参加者の中に、自身が現地の治安を脅かす当事者であるという意識と、同時にその問題を解決する当事者であるという意識を芽生えさせることができたこと

ギャング問題の解決には当該地区を取り巻く様々な問題が密接に絡み合っており、現地のユース団体などより多くの人々を巻き込んで包括的に活動する必要性が再認識されたこと。

 

以上の3点が挙げられます。これらは、「Movement with Gangsters」をシリーズプロジェクトとして今後も継続させていく上で、大変大きな収穫であったと言えます。


〜プロジェクト第3弾〜

(第5回現地渡航活動時2014/9/2〜18)

3弾は、上述の「サイクル」始動回としてサイクルプロセスを適切に実施すること、またプロジェクト参加者に対し社会復帰に向けた行動へより強い動機付けを行うことを目指しました。第2弾が「対話」に重きを置いたプロジェクトであったのに対し、第3弾は、参加ユースギャングの主体性彼らを取り巻く社会との交わりに重きを置き、各プログラムを進行しました。

 

本渡航で実施したメインプログラムは全3日間、イスリー地区在住の13名のユースギャングが参加しました。「同地区内におけるユースギャング問題の、当事者による解決」をテーマに置き、1日目のワークショップでは、問題発生の根本要因をギャング/社会双方の立場から包括的に議論し、将来的な問題の拡大を防止するために自分たちの立場から取れ得る手法を模索しました。2日目には1日目の議論を基に生まれた「小学校での特別授業」を社会貢献活動として行い、同地区内の小学校にて、ユースギャング一人ひとりが生徒に対し、社会に責任を持って行動することの重要性やギャングになるべきでない理由を語りかけました。3日目の表彰式では、在ケニア日本国大使館をはじめ、各種関係者の方々からの社会貢献活動に対する賞賛の声を届けると共に、修了証の授与を行いました。

 

非渡航時に行うモニタリングに関しては、今回より協働するKobciye Community Centreの教育プログラムを利用して、定期的にコンピュータや経理等の能力構築を行うほか、当機構ソマリア人メンバーによるカウンセリングを実施します。

 

3弾において得られた成果としては、

サイクル化始動回として適切に各プログラムを実施し、現地機関と協働した持続可能なスキームを現実化することができたこと。

参加者の中に、社会の変革者として自発的に行動した経験と、自身の行動を受容されたという認識を生むことができたこと。

③現地のユース団体や教育機関などより多くの人々を巻き込むことで、ギャング問題の解決を包括的に実施することができるという事実を確認できたこと

 

以上3点が挙げられます。第3弾は、中長期的にユースギャングの積極的社会復帰を目指す上で、具体的な方針とその手法を構築することができた有益な回であったと言えます。

 

 

〜プロジェクト第4弾〜

第6回現地渡航活動時 2015/3/10~3/26)

※Tawakal Medical Clinic, Kobciye Community Centre, United Communities Empowerment Programme, Action Vijana Empowerment Plan Kenya, Kenya Voluntary Development Associationの5現地団体と協働実施

プロジェクト第4弾ではプロジェクトのサイクルプロセスの中で、参加ユースギャングたちに社会を変革する主体者であることの意識を芽生えさせること、合法的手段で社会に対して働きかける経験を通じて参加者自身の現状を変えることが出来る能力及び可能性を自覚させること、また彼らの積極的な行動に対して応えてくれる社会が存在することに気づかせることを目指しました。また、今回より本格始動したユースギャングへのスキルトレーニングに対する参加者のニーズ等、今後のプロジェクト進展のための分析データ収集も目的に据えていました。

 

今回の渡航で実施されたプログラムは全4日間にわたり、イスリー地区在住ソマリア人ユースギャング19名が参加しました。1日目のワークショップでは実際に彼らが直面している問題を挙げ、それぞれの根本要因や現状への影響を議論し、彼らの状況を包括的に分析する場としました。2日目は現地NGO団体等のソマリア人識者を招待し、ギャングが社会と実際に対話をする場を設けました。3日目は、1日目に議論した問題に対して現時点で彼らにとることのできる具体的な解決策を考えました。多くの参加者から挙がっていた実用スキルの獲得という意見を踏まえ、実際に社会に働きかける行動として彼ら自身が現地NGO団体に対しスキルトレーニングコースを設置してもらうよう要請することに決定、またその準備を行いました。最終日は、事前に計画していたギャングによるプレゼンテーションこそ叶わなかったものの全体議論形式で各NGO関係者に自信の現状及び社会復帰への強い意志を訴えかけることが出来ました。修了式ではNGO団体からギャングの主張に対しての返答をもらい、その後、彼らがとった行動を賞賛するための修了証書を授与しました。

また今回のプロジェクト内での、ギャング自身による社会への働きかけの結果、現地NGOがスキルトレーニングコース設置を承諾し、日本メンバー帰国後多数の講座が開講されプロジェクト参加ギャングに対して様々な実用スキル付与のためのトレーニングが実施されています。

 

第4弾において得られた成果としては、

①プロジェクトの中で、参加者に主体的に行動する場を与えることにより、受け入れる側の社会の存在を認識づけることができた点

②プロジェクトの中で参加者に実用スキル獲得の重要性を認識付け実際のスキルトレーニング実施に繋げる事が出来た点

③前回参加者がプロジェクト運営側に立ち他の参加者をリードする役割を担う「リターニングギャングシステム」の導入により今後のプロジェクト参加者数増加にも対応することができる可能性が見えた点

④プロジェクトの中での現地NGOとの多数の接触によりこれまで以上に開かれた環境をつくることができ、参加者の中に受け入れてくれる社会の存在を気づかせることが出来た点

 

以上4点が挙げられます。第4弾は、ソマリア人ユースギャングの積極的社会復帰の達成に向けて評価に値するプロジェクトであったと言うことができます。


 

〜プロジェクト第5弾〜

(第7回現地渡航活動時 2015/8/20~9/10)

ATLAS College of Professional Studiesと協働実施

プロジェクト第5弾の意識改革プログラムではサイクルプロセスの中で、新規参加ユースギャングたちに社会を変革する主体者であることの意識を芽生えさせること、実際に合法的手段で社会に対して働きかける経験を通じて参加者自身の現状を変えることが出来る自身の能力及び可能性に気づかせること、また彼らの積極的な行動に対して応えてくれる社会が存在することに気づかせることを目指しました。また、プロジェクトに2度以上参加経験のあるユースギャングは「当機構のメンバー」として受け入れ、プロジェクト内で議論をリードするなどの役割を担ってもらうことで当機構メンバーとの仲間意識並びにより社会に対する積極的な態度を生むことを目指しました。

 

今回の渡航で実施されたプログラムは全4日間にわたり、イスリー地区在住のソマリア人ユースギャング新規・複数回合わせて史上最多の30名が参加しました。1日目のワークショップでは実際に彼らユースギャングを取り巻く問題を列挙し、それぞれの根本要因や現状への影響を議論し、彼らの状況を包括的に分析する場としました。またその際、ポストイットなどを活用することでそれぞれの問題の因果関係を視覚的に把握し易くするよう工夫しました(下部写真2枚目参照)。2日目は、1日目に議論した問題に対して実現可能性や実際の社会に対する効果などを考慮しつつ翌日実施する「社会貢献活動」の内容を議論し、現時点で彼らにとることのできる問題に対する具体的な解決策を考えました。その際、ユースギャングから「ドキュメンタリー動画の撮影・放映」という意見が出たこと、またユースギャングを取り巻く問題の根本には社会からの差別があることなどを考慮しTake Action案を「ユースギャングの存在を社会に提起するドキュメンタリーを作成する」ことに決定しました。またこれまでの案とは異なり、動画撮影ということを考慮し長期的な視座で実施することとしました。3日目は、Take Actionを実施しました。動画撮影が1日で完了できないため、この日はゲストスピーカーを招きアドバイスをもらいながら「ギャング自身がドキュメンタリーのコンテンツを考える」ことを行いました。 最終日の修了式ではClosing Ceremonyを行い当機構やゲストスピーカーを含めた”社会”が彼らの行動に賞賛の意を示し、修了証書と少額の金銭を授与しました。

 

第5弾において得られた成果としては、

 ①プロジェクトの中で、参加者に主体的に行動する場を与えることにより、受け入れる側の社会の存在を認識づけることができた点

②2度以上プロジェクトに参加経験のあるギャングを当機構メンバーとして受け入れ、様々な役割を担い行動してもらうことで参加ギャングの”ロールモデル”を示すことができた点

以上2点が挙げられます。第5弾は、ユースギャングの積極的社会復帰の達成に向けて評価に値するプロジェクトであったと言うことができます。

~プロジェクト第5弾Part2~

(第8回現地渡航活動時 2016/3/23~3/26)

8回現地渡航活動では、「Movement with Gangsters5Part2」として、前回プロジェクトにて「社会貢献活動」として実施が決定したドキュメンタリー動画の撮影を継続する形で活動を行いました。ドキュメンタリー動画の撮影は、ギャングを苦しめる「社会からの差別」をなくすために彼らができる取り組みとしてギャング自身から提案されたものです。今回のプロジェクトではドキュメンタリー動画の作成にあたって、社会からより良い理解を得るためにはどのような伝え方をすれば良いかを議論するワークショップを実施したのち、実際にドキュメンタリー動画の撮影を行いました。

 

今回プロジェクトの参加者は、前回参加したギャングを再び集める形を取り、総数は16名となりました。ワークショップでは、前回プロジェクト時にギャングからの発案で作成及び発信することを決定したドキュメンタリー動画内で、ギャングが社会に伝えたい「内容」とその「伝え方」について改めて議論する場を設けました。ここでは「より広く社会に訴えかけることができ、ギャングに対する社会からの差別軽減につながる」といったドキュメンタリー動画作成及び発信の意義を再確認するとともに、ギャングでも自分の抱える問題に対して解決策を講じることができるという、「社会変革の主体者」としての自覚意識を醸成することを目指しました。そしてワークショップにて議論した内容を踏まえ実際に動画撮影を行い、ほぼ全ての参加ギャングが社会に対して働きかける経験をしました。こうして実際に社会へ働きかけを行ったことで、ギャングが自分自身で現状を変える潜在能力を持っていると気づかせることができました。最終日の修了式では参加者の積極的な行動を一般社会が賞賛する場を設け、ギャングでも社会に対して行動すれば彼らの努力を認める社会の存在があると実感させることができました。また、この際今回のプロジェクト内で撮影した彼らのドキュメンタリー動画を流したところ、彼らの多くがドキュメンタリーの持つ効果に期待する様子を見てとれました。

 

今回の第5Part2において得られた成果としては、

①ドキュメンタリー動画作成・発信の意義と有効性を再認識させるためのワークショップを通して、社会に積極的に働きかける「社会の変革者」としての意識を醸成することができた点

②一人ひとり時間をかけてドキュメンタリーの動画撮影を行ったことで、社会に対して実際に働きかけたという実感を強く持たせることができた点

③ドキュメンタリー動画内においてギャングが自分の主張を伝えるだけでなく、より社会を意識した視点を取り入れることを話し合ったことで、今後の社会への働きかけ方の指針となった点

以上3点が挙げられます。またこれらに加え、ドキュメンタリー動画の撮影を進展させることができた点からも有意義なプロジェクトとなったと言えます。

~特別プロジェクト~

「Kenya, I'm Not A Terrorist」~ケニアよ、私はテロリストではない~(2014/4~)

 

この運動は、ソマリア人社会に対する社会構造的暴力に対して、SNSという非暴力的なツールを利用し、当事者たちの声を発信するシンプルでありながらもクリエイティブな抗議の形です。

 

これまで2回の渡航に渡りMovement with Gangstersを実施していく中で、私たちには1つの疑問が生まれていました。

 

それは、「私たちがフォーカスするのは”ギャング”だけでよいのか?」という問いです。

シリーズ第二弾での対話から、イスリー地区の抱える治安問題はギャング問題以外にも存在し、その中にも確実に「私たちにしかできない事」がありました。また、そもそものギャング問題を解決するためには地域の治安問題や人権問題を包括的に捉える必要がありました。

 

そこで現地の現状を踏まえ、考え出したMovement with Gangstersのもう1つの形が「Kenya, I'm Not A Terrorist」です。

この運動は世界的に反響を呼び、大きなムーブメントとなっています。

(この運動は英国BBCや中東Al Jazeeraなどの国際的な報道機関にも取り上げられました。)

 

詳細はこちらよりご覧ください。


活動のようす

<プロジェクト第1弾>

<プロジェクト第2弾>

<プロジェクト第3弾>

<プロジェクト第4弾>

<プロジェクト第5弾>

<プロジェクト第6弾part2>

※プロジェクト参加ギャングの安全を考慮し、画像の一部にモザイク加工を施しております。

【御寄付のお願い】

当機構は、皆様から頂く御寄付によってのみ活動を実施することができています。支援の手が行き届かないソマリアの未来を切り拓いていくために、またギャングが自爆テロリストにならないために、皆様の温かい御支援をどうぞ宜しくお願い致します。

御寄付はこちらより

 


【見学希望の方】

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